人間文化講座「ゆうかり塾」
2009年度 第3回
『八尾市を中心に「戦争の遺跡」を訪ねて』
講師:大西 進先生(高11期 八尾歴民友の会会員)
八尾市域に残存する戦争遺跡27箇所について、あくなき探究心に支えられた綿密な調査(文献・聞き取り)をもとに、地図・映像を交えて説明をしていただきました。 特に大正飛行場が @周辺に水濠を巡らせた一大城郭の規模をもち、第11飛行師団司令部、第246戦隊戦闘指揮所が置かれ様々の機能を担っていたこと、 A飛行場を中心にその周辺にある防空のための高射砲陣地があり、 B 飛行場に連なる道路、C米軍の空襲から航空機を守るための掩体壕 C飛行場と掩体壕を結ぶ飛行機運搬用の道路などが造営されていたことなど。 *その中でも垣内の掩体壕は双発複座の陸軍機が格納できる大きさを持ち 保存状態がよく見る戦争遺跡として全国的にも有名。 貴重な遺跡として指定(保存)されるようにしたい。 飛行場関連以外に @軍用の予備道路であった府道八尾枚方線 A恩智山中にあった射撃訓練場 B戦時防空緑地であった久宝寺緑地 C防空の為の強制疎開(土地の収用)のあった八尾表町、近鉄旧八尾駅前など。 印象に残ったことは @これらの遺跡は 大半が戦争末期に造営されたもので、攻撃型ではなく軍の防空、防衛。一部民の防衛のための防衛型 Aその造営の裏に止むを得ないこととはいえ民間人の強制労働(勤労奉仕)、強制土地収用があったことなどのご指摘であった。 |