人間文化講座「ゆうかり塾」
2009年度 第4回
『科学と禅―結晶は生きている』
講師:佐々木 孝友先生(高14期 大阪大学名誉教授 大阪大学工学研究科フロンティア研究センター)
光電子関係の材料開発の基盤である新結晶開発に永年取り組まれてきた、 そのきっかけと研究開発の過程についてお話していただいた。 ●クラック(ひび割れ)の発生による育成の失敗とその原因究明=自らが結晶自身になって注意深い観察を続ける(集中)うちにふと浮かんだアイデァによる=と40cm級におよぶクラックなしの結晶の育成にいたった過程。 ●その過程で結晶におけるクラック発生がガン発生に酷似していること。 ●結晶にも生命があること。(その成長は生物の成長と似ていること)を認識したこと。 ●30年程前に入った禅の道=座禅の修業の中で人間(生物)の心「無意識の心」から「意識ある心」への進化が、模倣から独創性への進化をもたらすこと。 この過程では大きな努力が必要であり、具体的に精神集中によって実現されること。 ここに禅の集中効果があること。などを体験にもとづいてお話いただいた。 |